中井義則(ゆでたまご)/ スタジオ・エッグ代表

新宿区/東京

人気マンガ「キン肉マン」の作者、ゆでたまごのひとりである中井義則は、10年以上にわたりUSMハラーを愛用しています。そこに収められた無数のフィギュアたちは、新たな創造の糧でもあるのです。

「キン肉マン」と言えば、1980年代から爆発的にヒットした日本マンガの金字塔。主人公のキン肉マンが多彩な超人たちと戦うストーリーは、格闘技の醍醐味とギャグの要素が混ざり合い、多くの子どもたちを熱狂させてきました。キャラクターを模したミニチュアの人形、通称「キン消し」も大ブームを巻き起こします。スタートから40年以上を経た現在もこの作品の連載は続き、往年のファンを楽しませるとともに新しい読者を獲得。作者のゆでたまごは、原作担当の嶋田隆司と作画担当の中井義則の二人組で、彼らは小学校時代からの同級生でした。中井さんは、こう語ります。


「以前は一緒に仕事場を借りていましたが、こっちが絵を描いている時、向こうは話を考えながら後ろを歩き回るから、どうしても集中できない(笑)。だから仕事場を分けて週1回の打ち合わせをするようになりました。この距離感がちょうどいいんです」

中井さんが仕事に集中するのは、毎週金曜日から火曜日まで。毎回、打ち合わせの場で嶋田さんがストーリーを伝え、動作や表情を細かく確認した上で、仕事場の6名のスタッフと共に5日間で完成させます。描き上がった作品は、すぐに誌面とインターネットで公開されていきます。最近はリモートワークを取り入れて、自宅で作業するスタッフもいますが、仕事場ではアナログの作業が大半。働く場所の環境を快適に保つことを、中井さんは以前から心掛けてきたそうです。


「昔のマンガ家には、コタツやミカン箱に向かい、いつも同じドテラを着て作業しているイメージがあったんです。またアシスタントはマンガ家の弟子で徹夜が当たり前でした。でも今のマンガは、スタッフと一緒にチームで制作していくもの。スタジオ・エッグという自分の会社を設立してから、いっそう環境を大事にするようになりました」

スタジオ・エッグの打ち合わせスペースには、USMハラーの中にぎっしりとキン肉マンのキャラクターのフィギュアが飾ってあります。サイズは大小さまざまで、キャラクターの個性が見事に表現されたものばかり。中には九谷焼でつくられた貴重な作品もあります。キン消しに熱中した世代も、今は40代前後。キン肉マンはひとつのカルチャーとなって豊かに発展しつづけているのです。


「こうしたフィギュアは10年くらい前から増え始めました。キン肉マンには今まで数百人の超人が登場していて、その多くがフィギュア化されています。きれいにディスプレイしたいと思うようになり、そこで出会ったのがUSMハラーでした。この仕事場に引っ越した時、リフォームをお願いしたタイムレスリビングのデザイナー、横山哲芳さんに薦められたんです」

USMハラーは、ショールームまで実物を見に行き、実際にオフィスで使っているところを見学してから導入を決めました。設置する場所に合わせて、幅、高さ、奥行きを変えることができ、いろんなアレンジがしやすいのが決め手でした。高級感があるところも気に入っています。常に過去のキャラクターが見られる状態が、新しいキャラクターを仕上げるのにも役立っています」


L字型に構成されたUSMハラーは、膨大なフィギュアをはじめとする中井さんのコレクションを収納するとともに、部屋を仕切る役目も担っています。パネルは部分的に両面をガラスにして、窓からの光が室内に届くようにしました。約10年前にここに引っ越してから、コレクションが増えるのに合わせ、USMハラーもパーツを加えて2度にわたり拡張しています。

中井さんやスタッフがデスクに向かう部屋でも、USMハラーが活躍しています。打ち合わせスペースで使ってから、あらためてこの家具が気に入って、徐々に追加していったといいます。また中井さんの自宅でも、テレビ台を兼ねた収納家具としてUSMハラーがあるそうです。細いフレームと金属やガラスのパネルで構成されるUSMハラーは、空間を効率よく使えるのです。またメタルパネルは14色のバリエーションがあり、室内の雰囲気に調和する色を選ぶことが可能です。

「通常の事務用キャビネットには圧迫感がありますが、USMハラーは白い壁に色を合わせることができ、目立ちすぎないのがいい。自宅でも白を使っています。シンプルで収納力が高いので気に入っています」


キン肉マンはマンガ界のロングセラーですが、USMハラーもまた収納家具のロングセラー。長く愛され続けるものには、それぞれに確かな理由があるのです。

ゆでたまご公式ホームページはこちらから ⇒ www.yudetamago.jp


Interior design: TIMELESSS LIVING
Text: Takahiro Tsuchida
Photographs: Tadahiko Nagata https://www.15-p.com