犬の博物館

ニューヨーク/アメリカ

(雑誌「Interior Design」の掲載記事より)


「ハリウッドでは、撮影の演出に困ったら、そこに子供を入れることがよくあります。子供を入れても解決しない場合は、しばしば犬を入れます。愛らしいピンと立てた耳と潤んだ瞳は、最高のパフォーマンスです。ニューヨークのガラス張りのオフィスタワーにオープンしたばかりのアメリカン・ケンネル・クラブの犬の博物館(AKC Museum of the Dog)は、まさにそれを証明しています。ゲンスラーが設計した2階建ての博物館は、館のマスコットである青い犬「Arty」をモチーフにしたロゴや美術品のインスタレーションから、インタラクティブステーションやスマートフォンアプリに至るまで、人の最初のベスト・フレンドとして館全体で犬を賛美しています。この移転プロジェクトの一環として、ゲンスラーは同じ建物の5階にあるAKCの本社オフィスの設計も行いました。


この犬の博物館の設計に合わせて、ゲンスラーは、さまざまな犬種に関する情報を来館者に提供するタッチスクリーンテーブルなどのインタラクティブアトラクションも開発しました。 写真撮影:Eric Laignel


実際、今日の博物館デザインは本質的に体験型です。対話式やメッセージングは​​、プロジェクトの建築コンセプトにおいてきわめて重要です。しかし、犬の博物館が当初提示した課題の多くは、相変わらず従来のものでした。その膨大なコレクション(作品数1,700点、そのうち58%は立体物)を選択的に展示する必要がありました。 1階のギャラリーは、約15フィートの天井高で階段周りにアトリウムがあり風通しの良い空間ですが、3,980平方フィートの狭いスペースです。そして、三角形の設計の一面は正面窓であるため、絵画を掛けるための壁のスペースはわずかしかありませんでした。そのため、ゲンスラーは、より多くの展示面を確保するために、7枚のスチールフレームのパーティションを設置しました。それらは大きなサイズの美術アカデミー用のイーゼルに似たもので、360度回転するため、さまざまな展示会やイベントに合わせて向きを変えることができます。オープン後初の展示会「For the Love of All Things Dog」では、19世紀のイギリスの画家サミュエル・ジョン・カーターの口に柄をくわえたキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの肖像画「Waiting for Mistress with a Cane」が展示されました。これ以上の忠実はないでしょう。」


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ライブラリースペースでは、ジェンシャンブルーのUSMハラーのユニットに、膨大な犬に関する資料が調べやすく収納されています。